今回僕が行った御霊神社は奈良県五條市中之町にあります。
五條市にはここ以外にも20以上の御霊神社があるみたいです。
御霊神社は祟りを鎮めるために建てられた神社で全国各地にあるんですが、これだけ密集してるのも珍しいですよね。
ここには井上(いのえ)内親王がメインで祀られています。
井上内親王とは
717年に第45代聖武天皇の長女として生まれ、10才から伊勢神宮で巫女として19年間過ごしました。
その後、白壁王(後の光仁天皇)と結婚し、37才で酒人(さかひと)内親王を生み、45才で他戸(おさべ)親王を生みました。
当時の平均寿命は30才前後だったそうなので、かなりの高齢出産ですね。
772年に光仁天皇を呪い殺そうとした罪で皇位をはく奪されています。えん罪だったり、誰かの策略にはめられた可能性が高いそうです。
773年、今度は光仁天皇の姉を呪い殺したということで庶民にまで位を落とされて、他戸親王とともに幽閉されてしまいました。これもえん罪ではないかと言われています。
その1年半後の同じ日に2人同時に亡くなるという非業の死をとげています。
776年から天変地異がひんぱんにおこるようになったときに、井上内親王と他戸親王のたたりではないかと恐れられるようになり、慰霊のために祀られるようになりました。
ちなみに酒人内親王は、2人が亡くなったことによって皇太子になった山部親王(後の桓武天皇)の妃になっています。
境内の紹介
鳥居と参道。一の鳥居から本殿まで一直線にのびる参道って意外と少ないような気がします。
文字が薄くなって読めなくなってます。今のうちに書きなおさないと消えてしまいそう。
建てられた当初の資料が屋根裏から見つかり、当時は板の屋根だったことが分かりました。昭和55年に行われた本殿の修理で、ひのきの皮で出来た屋根が板の屋根に作り直されました。
手水舎。水は流れていませんでした。そのかわりに蛇口をひねると水がでてきます。
1472年に霊安寺町の御霊神社から分祀されたと伝えられています。社殿は国の重要文化財に指定されています。
こちらは拝殿。雨でもお参りができて、本殿をゆっくり見ることができます。
あざやかな赤が印象的な社殿。真ん中が井上(いのえ)内親王が祀られている本殿、左が他戸(おさべ)親王が祀られている他戸神社、右が早良(さわら)親王が祀られている早良神社。早良親王は光仁天皇の子どもで、桓武天皇とは兄弟です。無実の罪で幽閉されたと言われています。その死後、祟り神として恐れられていました。
拝殿の上にある鳥の彫刻。すごい体勢をしてますね。懸魚(げぎょ)と呼ぶみたいです。
御霊神社
拝観時間 | 随時 |
拝観料 | 無料 |
住所 | 奈良県五條市中之町1765 |
連絡先 | 0747-22-4786 |
駐車場 | 無し |
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